2011
3月11日、この作品の制作のさ中に東日本大震災にあいました。揺れはすぐおさまるだろうと、
手をとめることなく続けていると、次第に揺れが激しくなり、回りの物が落ちてきました。
家の中で犬を飼っており、犬が脅えるので、制作を止め、抱きしめておりました。揺れが一層激し
さを増し、このままでは家が壊れるかもしれないと思い外に出ました。しばらくすると「津波だ、逃
げろ」という声が聞こえました。車で逃げて難を逃れ、避難所でしばらく暮らしました。
避難所では、たくさんの皆様にお世話になりました。同業者の皆様からもご心配をいただきました。
友人、知人から支援物資、ご心配のお電話、メールをいただきました。
それから、全国の皆様からの支援物資、義援金を行政を通して頂きました。真にありがとうござい
ました。
いろんな思いがあります。言葉では表せないものでもあります。
被災した高校生が「芸術家になりたい」と言ったと新聞で知り、心に残りました。
芸術は、言葉では表せないものを表現する手段かもしれません。あるいは、悲しみや苦しみを一瞬
でも忘れさせてくれるものかもしれません。私は芸術家でありたいと思います。
無力ですが、そうして生きてゆきたいと思います。
置物
わらべ地蔵
生きとし生けるもの、すべてが苦しみから救われますように。