2013
小根付 | |||
巳 | 今年の干支 蛇は脱皮するので、復活、再生といった前向きな力強さが 連想され、信仰の対象にもなっていますね。 それにしても、長いものには巻かれろとはよく言ったもの。 おっと、前向きではありませんね。失礼。 |
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根 付
夜長月
明治時代に活躍した日本画家、菱田春草の「寡婦と孤児」という作品を根付にしました。戦で夫を亡くした妻と赤子を描いていますが、日清戦争の
影響を みる人がいます。東京美術学校の卒業制作の作品で、当時の校長岡倉天心の裁断で優等一席になりました。
春草は、天心が谷中に創立した日本美術院を茨城県五浦に移転した際、天心、大観らと共に移住しました。後に病の為、代々木に転居し、38歳で
没します。 五浦は私の地元で、ゆかりの画家でもある春草の作品が特に好きです。
闘 鶏
地方に住んでいると、都会で暮らす人の想像を超えるものがあります。量販店で売られるものが、特に顕著ですが、大型のペットショプに行った
時には びっくりしました。鶏がたくさん売られているのです。いくら田舎でも・・・それは良いとして、鶏が美しく、カッコイイので根付にしました。
孤高の一羽を作りたいところ、くちばし、羽、脚などが尖り、壊れそうで、根付の定義にはずれてしまうので、二羽を絡めるというスタイルにしました。
私がしばしば用いる手法です。
二羽ならば、戦う軍鶏がもってこいです。日本画家の竹内栖鳳展を観に行きましたら、まさに戦う二羽の軍鶏の画がありました。秀逸でした。
動物とは、すごいです。人間はそれを食べ、皮や諸々を利用し、観て楽しみ、愛玩したり、描いたり、創ったり。感動的です。
ちなみに烏骨鶏をペットにし、家の中で飼っている人がいます。食べるなんてとんでもありません、と。
置 物
大日如来
仏の中の仏、中心仏といわれています。手の形は智拳印と呼ばれ、右手が仏、左手が大衆をあらわしています。
大衆を仏にくみこみ、その悩みを悟りにてんじるありさまを示しています。また、この忍者を思わせる印相は、深い
思索の後、今やそれを実行にうつそうとするときの姿勢ともいえます。
わらべ地蔵
2年ぶりにつくりました。今回は存在感のあるカエルを。お出かけしたら、必ずご無事で帰りますように。
ひな人形
ともに小さなお雛さまで、3pに満たないほどです。ひな祭りは女性にとって、幾つになってもよいものです。
帯 留
壽 桃 花
置 物
薫 風
地元、創業明治二十五年、老舗「人形の三國屋」の鯉のぼりをモデルにしました。寸詰まりでコミカルな作りとなりましたが、実物はすごいんです。
型を使わず一気に描き上げ、刷毛でかすれを生かした、手描きならではの味わいがあります。重厚な黒、雄壮な姿には魅了されます。 三國屋
小根付
鮟 鱇
冬、また作ってしまいました。つい、地元名産で、美味しい季節になったものですから。
今回は名物「つるし切り」にされるところです。大きくてダラリンとしているので、まな板では切りにくい。なので、つるして切るのです。
真ん中の写真、お腹に小さなひれがついているの解りますか。そうなんです、退化したようなひれがあるんです。実物を見られる、
地元の作家ならではと自負しています。だからなんだと言われると困りますが。
今年は童話作家新美南吉の生誕100年、没後70年です。 「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」が代表作とされています。 「でんでんむしのかなしみ」という作品があります。あるかたつむりが、自分の殻の中に悲しみがつまっていることに気づくというお話です。ごく短いものですが、哲学的で印象深い作品です。 私は、かたつむりを見るたびに「でんでんむしのかなしみ」を思い出してしまうようになりました。 |
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かたつむり | |||
ペンダント |